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本日のお話のアパートに一番近いイメージの写真を借りました。
デグチエステートの佐藤です。
この仕事をしていますと、アパートの立ち退きという仕事も何回か
経験します。
その中でも、14年位前に体験した立ち退きは、今でもよく覚えています。
H社という会社が倒産し、そのH社の社長の個人資産であるアパートが
売却される事になりました。
そのアパートをH社のメインバンクであったS銀行の紹介で、買う事に
なりました。
当時、築40年以上の木造アパート部分を解体して、約220坪の土地
に道路を入れて、5区画の建売住宅にして売る計画です。
H社の社長がアパートの居住者を責任を持って退去させてくれる約束
でしたが、買収した後でもまだ2人(それぞれ単身)の居住者が住んで
いました。
しかし、H社の社長は立ち退き交渉を放棄してしまいました。
色々と忙しかったのでしょうが、迷惑な話です。
8月1日からアパートを解体するので、それまでに2人の居住者に出て
行ってもらわなくてはいけません。
あと3週間しか時間がありませんでした。
2人の居住者の詳細は以下のとうりです。
Kさん 50歳代後半 独身男性 無職 退去する事を拒否している。
約1万8千円の家賃を10年間以上払っていない。 Kさんは
昔、H社の勤務していて、会社を辞めた後に退職金をもらって
いないから家賃は払わないと主張。
Mさん 30歳位 独身男性 近所の製紙会社に勤務しており夜勤が多い
電話も無く連絡が通じず、本人に立ち退きの話が届いていない
可能性があり 部屋の中はゴミが埋まっており、日本酒の紙パ
ック(ストローがささったまま)のカラが9割を占めている。
昔の漫画の「男おいどん」の世界そのまま。
この2人の入居者に3週間で出て行ってもらう事などできるだろうか?
途方にくれました。
とりあえず会って話をしないと始まらないと思い、何回も訪問しました。
4回目の訪問で、10年間家賃を払っていないKさんに会う事ができま
した。
挨拶をして、事情を話しました。
Kさんから「どこか新しいアパートを探してほしい」と頼まれましたが、
10年間家賃を払っていない人に紹介できる訳もなく、丁重にお断り
しました。
3日後にまた訪問する事を告げてその日は帰りました。
そして3日後に訪問した時には意外な結末が待っていました。
次号に続く・・・