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デグチエステートの佐藤です。
土地や新築住宅を売買させていただいた時に、過去に経験したことがあるこの
現象は、ほぼ同じ時期に2人のお客様から同じ不動産を買いたいと言われた事
です。
自分の話ですと色々と都合が悪いので、今回は親しい不動産業者Sが5年前
に経験した話をします。
Sの会社で、ある土地を1850万円で売り出していて、広告も何回も掲載して
いました。
5ケ月経過しても売れる様子がないので、1750万円に値下げしました。
1750万円に値下げしたとたん、お客A様から「1700万円にしてくれたら買い
ますよ。」という話がきました。
Sの不動産会社は、50万円を更に値下げする事に躊躇しましたが、この際だ
から売ってしまおうという事になり、お客A様にOKの返事をしました。
その次の日に、今度はお客B様から「1730万円で土地を買いたい。」という
話が舞い込んできました。(Sの不動産会社は、前日にお客A様と1700万円で
合意した事を、お客B様にはあえて知らせていない)
Sとしては、「なんてタイミングが悪いのだろう・・。お客B様があと1日早く決断
してくれれば良かったのに・・。」と思いながらお客A様とお客B様の対応を考え
ます。
お客A様とはもう約束をしてしまったので、仕方なく今後の契約の打合せを
しながら、万が一キャンセルされた場合も考えお客B様とも話しをつなげながら
時間を稼ぎます。
すると、お客A様から条件の追加がきました。
「前面道路にある電柱を移動してくれないか?」
電力会社に確認すると、移設費用が30万円かかるという事でした。
お客A様にその事を伝えますと、「半分は自分が出すから、残り15万円はS
さんの会社で負担してくれ・・」と言うのです。
1700万円でOKした時は、電柱は移動しないという約束にもかかわらずです。
Sは憤慨したのと同時に、これはチャンスだと思いました。
そうです、お客A様に断る口実ができたのです。
そこでSは、お客B様が1730万円で買ってくれる事をもう一度確認してから、
お客A様に「残念ながら今回の契約は撤回させてください」と神妙にお断りしま
す。
もちろんお客B様と30万円も高く契約する事は口にだしません。
お客A様はあわてて「電柱の話は無かった事にするから・・」と訂正してきまし
たが、後の祭りです。
多少状況がちがう場合はありますが、こういう話は同業の不動産業者からも
よく聞きます。
共通している事項は2つです。
①後から購入の希望をしたお客様の方が高い金額である事。
②先に購入を希望したお客様は、もっとサービスをさせようと、更に条件を加え
る事。
今回の話は、欲をかいて失敗したお客様を嘲笑する為に書いた訳ではありま
せん。
自分が、「この金額なら買ってもいいかな・・」と思った時は、他のお客様も
同じ事を考えているという事をお伝えしたかったのです。
金額とタイミング、この両方が不動産購入のポイントである事は昔から変わ
りません。