News blog
リフォーム部 酒井です。
春の霧雨の中、由比の寺尾、倉沢の旧東海道を散策。
由比市街がほとんど建替えられた中、街道の雰囲気が色濃く残る地区。
日頃御世話になっているS様の要請で、潮の香漂う、由比漁港駐車場より約2KMの道のりを歩く。
途中古民家を利用した「灯りの博物館」や「旧小池邸」など、見学できる建物も多い。
更に進んでゆくと倉沢の集落、こちらはぐっと古びた建物が多い。
「間の宿本陣跡」、明治天皇が宿泊されたという「間の宿柏屋」が創建当時の姿で残っている。
時代がタイムスリップしたような、いい風情…。
集落の一番奥が「望嶽亭藤屋」。
歌川廣重の浮世絵版画「東海道・由井」にも登場する古い料理屋。
現在は建替えられてしまった。好天ならば駿河湾を一望できる。
これから先が「薩埵峠」に続く古道。
江戸の人々は何を思い難所「薩堆峠」に向かっただろうか…。
荒天の日はお互いを励まし合い、晴天の日は振り返って霊峰富士の姿を仰ぎ見る。
私なら「泰子」の膝小僧を気遣い、背負って、息切れしながら峠道を歩いただろう。
駿河湾はあいにく霧雨に煙っている。
帰路に蒲原宿へ立寄る。
ここも江戸、明治の町屋が多く残っている。
その中でも、国登録有形文化財の「旧五十嵐歯科医院」がいい。
江戸末期の町屋を大正期に増築し、更に洋館に改築している。
TVでも幾度か紹介されている。住宅部分や診療所も創建当時のまま…。
目の前に見学者駐車場があるのもうれしい、そして往年の美女たちが親切に邸内を案内して下さる。
本物の建築をぜひ見学していただきたい。
雪の蒲原ならぬ雨の蒲原も実にいい。
次回はまたオーディオのお話を…。
では…。
①旧五十嵐歯科医院
狩野派画家の襖絵。欄間、蔵、中庭等見所は多い。すぐ前が見学者駐車場。
②歌川廣重「隷書・東海道・由井」
旅人が望嶽亭藤屋より駿河湾を眺めている。
看板に「さざえのつぼ焼き」とある