デグチエステートの佐藤です。

上の写真の錆びたドラム缶はイメージ画像です。

１０年以上前に、静岡市内の中古住宅を仲介して買っていただいた事

があります。

そのお客様（以後「買客」とさせていただきます）の場合は、契約から

引き渡しまで順調に終了しました。

ところが、引越しがすんで１ケ月位経った頃にその買客から私に電話

がありました。

「窓を開けて掃除をしていたら、突然すごい量の煙が家の中に入って

きて家の中が煙だらけになってしまった。」という事です。

その中古住宅は準工業地域という所にあります。

ちょっとした工場や作業場が建てられる地域ですが、その中古住宅の

周りは住宅ばかりだったのです。

ですから、私は買客にも「近所には工場などがないから騒音や煙は心

配ないですよ。」と言ってあったのです。

実際、私も何回かその中古住宅へ行きましたが、騒音や煙は全くな

かったのです。

しかし、私も気になったので調べてみたところ、その中古住宅から４０

ｍ位離れた所に、もう閉鎖された個人経営の木工所があったのです。

訪問してみると、奥に約１０畳位の裏庭があり、錆びたドラム缶が置

いてありました。

たまたまそこに６０歳代の男性がいましたので、話を伺ってみました。

もう木工所は３年位前に閉鎖したのですが、年に何回か昔のお客様

や知人に頼まれて、木工品を作るそうです。

そして、その作業で溜まった木くずを、年に３・４回ドラム缶で燃やして

いるそうです。

その時の煙だったのです。

その６０歳代の男性にしてみれば、「年３・４回の事だし、昔からずっと

ここで作業してきたのだから、最近引っ越してきた人間に文句を言われ

る筋合いはない。」と言いたいでしょう。

しかしその６０歳代の男性は「なるべく注意するよ。」と言ってくれたの

です。

本当は、何をどのように注意するのか、確認しなければいけないので

すが、私はそれ以上聞けませんでした。

買客にもそのまま伝えました。買客も「わかりました。」と言ってくれ

ました。

その後、買客からは何も連絡がありませんでした。

もう木くずを燃やさなくなったのか、それとも買客があきらめたのか、

解りません。

ただその２年後に、その木工所が更地になって売り出している事を、

知りました。

おかげで、心の負担はなくなりました。

しかし物件に関しては、どんなに調べても完璧ではない事が身にしみ

ました。

皆さんも気に入った物件が見つかりましたら、時刻を変えて何回も様

子を見に行きましょう。